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宮古島の伝統風習でもある「おとーり」についてご紹介いたします。
おとーりって!?
宮古島における独特の飲酒作法であり、約600年前に神事の一環として始まった長い歴史を持ちます。
端的に言えば、酒の回し飲みですが、その中に「歴史性」「厳粛性」などが内在し、神事の世界から庶民の世界へ移行し、宮古島の大衆文化として根強く生き続けています。
おとーりの語源って!?
有力な説として、神事の際に、その場に居合わせた全員でお神酒を回し飲みすることで『この場に居合わせた私達が、このような幸せな気分になれたのも、きっと神様が私達の側をお通り(おとーり)になられたからだ」という意味からきているというものがあります。
おとーりのやり方って!?
基本的に「親」になる人が、グラスに泡盛を注ぎまわしていきます。
1、まず、親が口上を述べ、グラスの泡盛を飲み干します。
↓
2、同じグラスで親から注がれた泡盛を次の人が飲み干します。
↓
3、親が全員分まわしていきます。
最後の人は、親へ泡盛を注いで返します。
↓
4、親は、次へのつなぎの口上を述べ、グラスの泡盛を飲み干した後、次の親へつなぎます。
この手順を繰り返します。
多良川の各種会合、イベントでも「おとーり」必須です。
≪宮古島の『おとーり』≫
(多良川新年会にての「おとーり」風景にてもう少し詳しくご説明。)
※『おとーり』を始める前にピッチャーでおとーりにまわすようの泡盛を作ります。
泡盛3:水7が目安です。
まず、「親」を決めます。
(通常「親」は一人ですが、新年会のような人数が多い&時間の制限がある時は、たまに二人の親でまわします。)
「親」は、泡盛グラスを片手に口上を述べます。思いの丈を伝えます。
新年の決意であったり、目標であったり、日頃言えない感謝の気持ちであったり。みんなの顔が見れてうれしいであったり。
口上を述べ終えた後、「まわしまーす」と高らかに宣言し泡盛を飲み干します。
そして、飲み干したグラスに泡盛を注いで隣の人に渡します。
隣の人と挨拶をしたり小話をしたりしながら、泡盛を飲んでもらいます。
隣の人が飲み干したそのグラスに、またまた泡盛を注ぎます。
そして、またその隣の隣の人に泡盛を注いだグラスを渡し飲んでもらいます。
これをみんなに杯が一巡するまで繰り返し続けます。
一巡し終えると、親はまたまた口上を述べます。
自分の杯を飲んでくれてありがとうなどと〆めの挨拶が終わると、次の「親」を指名します。
次の「親」に指名された人は、立ち上がり口上を述べます。
そしてグラスの泡盛を飲み干し、「まわしまーす」と高らかに宣言し、隣の人に泡盛の入ったグラスを渡します。
これが時間の許す限り、永遠と続くのです。
『おとーり』は、大変貴重であった泡盛を、宴の席にいる誰にも平等に分けるために始まったとも言われています。
そこにいる全員で、美味しい泡盛を飲んで、至福のひと時をみんなで分かち合おうということです。
宮古島の「おとーり」と聞いてがぶ飲みのイメージが先行しがちですが、宴の席をみんなで楽しみましょう!というのが、本来の姿です。
泡盛の量も自分で配分していいんです。
「親」からグラスが渡された時に、あまり飲めないと申告すれば、「ぴっーちゃがま、口つけるだけでいいさ。」と必ず言ってくれます。
大切なことは、近くで話ができるということ。
宴の席にいるみんなと話ができるということ。
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