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2024/11/18
2014/10/09
宮古島産原生酵母(MY17株酵母)とは。
糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し成長する微生物が「酵母」です。
この働きをアルコール発酵と呼び、泡盛に限らずお酒造りには、酵母が重要な働きをしています。
宮古島でサトウキビの廃糖蜜からバイオエタノールを得る実証事業が行われていましたが、エタノールもこのアルコール発酵を活用して得られるため、宮古島の高温な状況下でも効率よく働く酵母が不可欠でした。
そこで、独立行政法人酒類総合研究所を中心とした研究開発チームが結成され、宮古島の各地から155ものサンプルを採取し、1,122株の酵母を分離、適応検査を繰り返し最後に選ばれたのが「MY17株」と命名された宮古島原産の酵母です。(MIYAKOJIMAの17番目の株の意)この酵母は宮古島の高温条件下でも廃糖蜜から一定のアルコールを生産する能力を有しています。
この酵母で泡盛を造ってみたら・・・そう考えるのに異論はありませんでした。
MY17株が採取されたのが、偶然というか必然というか、多良川の側の製糖工場で、研究チームからの提示に二つ返事でMY17株酵母での泡盛造りに挑む決意をし、杜氏たちにも酒造り職人の魂に火がつきました。
2011年9月。
白露の時期に、1トンの米麹を「MY17株酵母」の入った仕込み水へ投入し醸していきます。
17日間じっくり醸し出された「もろみ」は、ふくよかな芳香を有していました。その「もろみ」を丁寧に蒸留し、世界初の宮古島産原生酵母仕込みの泡盛が誕生しました。
この酒は泡盛の甘味を感じる成分「4VG」を通常の6倍以上含有していることが分析の結果確認され、味覚検査でも半数以上が「やわらかい」、「まろやか」、「香りがよい」との評価を得られました。
この「4VG」は熟成させるほど「バニラ香」と表現される甘い成分へ変化していく特徴を持つことから、多良川では、三年間じっくりと熟成させ「古酒」にすることにしたのです。
「宮古島産原生酵母で醸した島酒」
宮古島の産業祭りにてお披露目を予定しております。
多良川の酒造り精神
株式会社多良川では、1948年(昭和23年)の創業以来、地域の皆さまに支えられながら泡盛造り一筋に邁進して参りました。
今回「MY17株酵母」で酒を醸す機会に恵まれたことは、地元に根差した酒造りにこれからも精進しなさいという天声だと受け止め、愚直なまでに真摯に酒造りと向き合っていきます。
元来、酒は人の喜怒哀楽の場にしっかりと寄り添い、明日への活力と夢を育む「百薬の長」としての立場を持ち、五穀豊穣、航海安全、大漁、太平の世を願う、子孫繁栄を願う等、神々への奉献酒としての役割をしっかりと果たしておりました。
私達、多良川は、日々の酒造りを単なる至酔飲料製造ではなく、神々への畏敬と感謝の念を感じつつ『天、自然の恵みを活かし、人と時代に生きる』を理念とし、「泡盛は造るものではなく育てるものだ。」という先代杜氏の訓えに従い、酒造りの真髄を極めてまいります。また、この本日寒露の時期は酒造りの気候に最適であると云われており、一年を通して魅力のある酒造りができる時期でもあります。
これまでも、これからも「泡盛は、もっともっと美味くなる」の精神の下で酒造りを行って参ります。
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